目次
中高年の転職事情
今回は、私の40代後半のお友達から転職相談を頂いたので40・50代のシニア向け転職方法をまとめてみました。
- 有効求人倍率は高いのに、書類選考で落とされてしまう
- 40.50代向けのサイトに心惹かれる魅力的な求人が無い
- 年収ダウンの求人しか見つけられない
- この年になっても未経験者歓迎に応募してもいいのか?
今、お仕事を探されている方でこんな思いをしていらっしゃる方はいませんか?
2010年のリーマンショック開け以降、有効求人倍率は右肩上がり、良い転職のタイミングかなぁと思い、重い腰をあげたのにも関わらず、なかなか書類で通らないなんて事もしばしば。今までの自分が歩んできたキャリアをなんだか否定されているようで、心苦しくなる事もあるかと思います。
ただ、実際に私が転職市場の全線で各企業の人事の方とお話ししていると、決して40代・50代の皆様のキャリアが否定されているわけではないのです。
今回はそんな現状の転職市場を少しでも知っていただき、皆様の転職活動の原動力にして頂けましたら嬉しく思います。
何故、40代・50代の履歴書は通過しないのか?
求人サイトの書類選考に通過しない本当の理由
私は仕事柄、大手求人広告をメインに取り扱っていたのですが、実は7割型は20、30代に向けての求人広告なのです。一部、難易度の高い専門職(エンジニア、デザイナー…)などは40代まで可能です。
ただ、実際に人事の方と話をしてみると殆どの企業が若手を募集しているのです。その為、多くの履歴書を送ったとしても、中にはあなたのレジュメを読むこともなく、年齢のみで足きりしている企業も実際は多くあります。
何故、求人サイトは若手募集なのか?
何故、多くの求人サイトは若手募集が殆どなのか。
それは、求人サイトは人材紹介などの100万近いサービスと比較すると20~50万で採用費が抑えられ、非常に安価なサービスであるが為、大量募集&継続募集に向いているからです。
また、各社の40代・50代の役割は人を束ねる『マネージャー・即戦力』として募集されます。しかしながら、このポジションは各社数人でいいわけです。各社が多く欲しいのは、その下のメンバーなわけです。そうすると世の中の絶対数で見てみても、40・50代の求人は少なくなり、充足しやすくなり、世の中に求人が出回りにくくなるのです。
求人サイトで落ちても気にしなくて良い
求人サイトで応募した場合はあなたの履歴書が落ちたとしても、あなたの問題ではなく企業側の問題である事が殆どです。
主には下記の理由が多いと思います。
その為、求人サイトで書類選考に落とされても、実際は気にしなくて良いのです。
・採用費用が多くさけない若手ベンチャー企業なので、転職エージェントではなく求人広告に掲載する
・業績拡大のため、営業人員(メンバークラス)が大量に必要。大量募集の為、求人広告に掲載する平均年齢が30歳の会社の場合、マネージャークラスも30代が良い
どうしたら、40代・50代の履歴書は通過するのか?
応募数に勝るものはない
私の知り合いで実際にあった話なのですが、その方は40代半ばで過去に中小企業で営業⇒営業部長をご経験されていらっしゃる方でした。
求人サイトは年齢である程度、門前払いをされる事も知っていたので自分が純粋に興味を持てる企業に、履歴書を送り続けました。
しかも、クリエイティブやエンジニアなど…、これまでの経歴と募集職種が大きく異なるのに…
しかしながら、ラッキーな事にとある1社が募集はしていないものの、今後の企業成長を考えて事業企画の募集を丁度考えていたのです。
そんな中、彼の履歴書を見て他ポジションでの打診を頂き、見事に内定をゲットしたのです。
転職サイトではなく転職エージェントを活用する
転職エージェントでは事前に年齢やスキルなどの人物設計を、事前に担当者と打ち合わせをしています。その為、転職エージェントから紹介される求人は書類選考が見込める求人をあらかじめ紹介してもらえます。40・50代向けの転職方法を熟知しているエージェントに一度相談を持ちかけてみるのも手でしょう。
優秀な友人に転職エージェントを紹介してもらう
良いエージェントに当たりたいなら、優秀な人から個別に紹介してもらうのも手です。何故なら、優秀な人には優秀なエージェントがつく仕組みに各エージェントなっているケースが多いからです。また、逆もしかりで優秀な人が認めるエージェントは優秀なケースも多いです。エージェント側からすると、大切なお客様から紹介されたお客様(あなた)なので、丁寧に対応してくれます。
知っておきたい、求人広告の裏話
40代・50代の求人広告の見方、検索方法 ~実は求人広告は年齢制限が表記できる~
求人広告に掲載している企業の7割は20、30代に向けての求人広告との話をしましたが、これは実際に求人広告を見れば一発で分かります。この求人を避ければ、書類通過率は格段にアップするはずです。
それは、【応募条件一覧】です。
求人票の応募条件一覧に年齢が記載されている場合があります。
↓例えば下記のように
◎年齢33歳まで 【若年層の長期キャリア形成を図るため】
「長期勤続によるキャリア形成を図る観点から、若年者等を期間の定めのない労働契約の対象として募集・採用する場合に限って上限年齢を定めること」
参照:《厚生労働省:例外事由3号》
つまり基本的には年齢制限はNG、しかし例外で正社員雇用かつ未経験者募集の場合に限っては上限年齢を定める事はOKなのです。注意点として、年齢制限を記載する場合は新卒者と同様の扱いをしなければならない為、業界・職種欄にスキル経験の記載は出来ません。
例えば、
年齢30歳まで
広告業界、営業経験必須 等。
例外として、
年齢30歳まで
広告業界、営業経験歓迎 等
なんかは、記載可能です
細かい、広告ルール…。。各求人メディアに求人広告審査部なんてのがあって、そこで求人広告入校時に細かくチェックされます。
(入稿時間ギリギリに修正依頼が来ると、営業はお客さんに表記確認して、電話が繋がらなかった日なんてバタバタです…トホホ…。)
また、繰り返しになりますが年齢制限を儲けている企業の大半は若手のベンチャー系企業のケースが多いです。理由は、経営層やマネージメント層が40、30代の為、マネージメントし易い自分たち以下の年齢を欲している為です。それが若手を求めている企業の8割近く。
もしくは超老舗の中小企業で経営層が60、50代、新卒採用もここ数年殆どしていなかったので企業の年齢ピラミットが逆三角形になっていて若返りを図りたい!と考えている企業が2割でしょうか。
人材会社では、求人広告の販売時に合わせ売でアウトソーシング業務などを提案する事が多く、またその受注が増加傾向にあります。その業務内容は求人広告での応募が合った求職者への連絡対応。何をするかと言うと、応募が合った求職者の年齢・スキル等を企業に知らせて、面接するかしないかの判断をもらって、求職者への合否連絡、面接設定等を行う事です。
よくここで登場するのが、年齢スクリーニング。企業が設定した年齢に見合わない場合は、レジュメなんて殆ど読まずに年齢で切っている場合です。それだけ、応募者が増え、また年齢オーバーの方が増えている現状なのです。
年齢オーバーの方は様々な求人に応募しているけどなかなか合否判定を貰えない(20、30代募集の企業が大半なので)掲載企業と求職者との負のスパイラルで成り立っているのです。
求人広告に応募してくる人たち(ライバル)を知ろう
これは、募集職種によっても異なってくるのですが首都圏募集だと下記のイメージです。地方の場合はこれの半分、2/3位です。(求人広告の掲載は1ヶ月タームが多いので、1ヶ月掲載した場合)
- 営業:20~100名
- 販売、接客:10~20名
- 事務:50~100名
- 企画:20~50名
- 医療、福祉:数名~20名
- 保育、教育:数名~20名
- コンサル、不動産:数名~20名
- クリエイティブ:数名~20名
- エンジニア(ソフト・ハード):数名~10名
- WEB、インターネット:数名~20名
- 建築、土木:数名~10名
- 技能工、設備、配送:数名~20名
- 公共サービス:数名~20名
事務、企画系はやっぱり不動の人気職です。
どの企業も大体採用成功しています。
この応募者の中から、企業のスキル要件に見合った人は半分から1/3位。
その為、求人と要件さえ合致してしまえば求人広告のライバルって意外と少ないんです。
因みに、私が過去に手掛けた案件で
財団法人系、超ビックネームの付く会社または関連会社は100~500名位来ちゃいます…w
また中小企業でも、残業殆ど無し、福利厚生もバッチリな企業は50名前後応募が来ることも勿論あります。
そして、1ヶ月で採用に達する見込みがあるのであれば、きっぱり各社求人をクローズするのですがここ3年近くは半分近くの企業が定員に達せず期間の延長をしたり、別の時期に再募集する企業も多く見受けられます。
掲載されている企業がどんな意図で求人広告を掲載しているのかを求人を眺めながら想像する事によって、企業風土が見えてきます。是非、自分にその会社が会っているのか(給与・福利厚生・人柄・仕事内容…等)長く続けられそうか想像してみますしょう。
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